任意予防接種について

 
 目次
 
 【小児】
 1.おたふくワクチン
 2.HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)

 【大人】
 1.帯状疱疹ワクチン
    



【小児】

1.おたふくワクチン

おたふく風邪は正式名称を流行性耳下腺炎といいます。発熱や、耳下腺(耳の前から下あたり)の腫れが特徴的な症状です。

自然に治る病気ですが、以下の合併症に注意する必要があります。

 髄膜炎     発症率 約10%

 精巣炎/卵巣炎 発症率 約20~30% / 7%

 難聴      発症率 約0.005%~0.1%

 膵炎      発症率 約4%

髄膜炎や難聴は合併すると後遺症を残す可能性があります。

症状を軽くするだけでなく、合併症を防ぐために予防接種を受けましょう。

当院では接種をおすすめしております。



2.HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)

子宮頸がんとは子宮の入り口付近(子宮頸部)から発生する癌で、50歳未満(特に20歳~40歳)の若い女性の罹患が増加しています。年間に約1万人が罹患し、約2800人が死亡しています。

子宮頸がんの95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。

性行為によって知らない間に感染しており、全女性の50~80%が感染していると推定されています。ありふれた一般的なウイルスですが、リスクの高いHPVに持続感染すると、その約10%の女性が数年~数十年をかけて子宮頸がんを発病します。

このヒトパピローマウイルスの感染を予防するのが子宮頸がんワクチンです。子宮頸がんワクチンは性交渉前に接種するとより効果的で、その有効性は約94%と言われています。十分な効果を得るためには3回の接種が必要です。

筋肉注射のため、注射部位の一時的な痛みは9割以上、一過性の発赤や腫れなどの局所反応は約8割の方に生じますが、安全性も示されており、小児科学会、産婦人科学会共に接種を推奨しています。

前述したように性交渉前にワクチンを接種することが最も効果的ですが、性交渉の経験があっても未感染であれば将来の感染予防が期待できるため接種は可能です。

当院でも接種を推奨しています。

子宮頸がんは無症状で進行するため、接種が済んだあとも定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。



【成人】

1.帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となり、チクチク・ピリピリと刺すような痛みと水ぶくれがあらわれる病気です。

全体の約7割が50歳以上と言われ、80歳までに3人に1人が発症するとも言われています。

発症した年齢が高いほど、チクチク・ピリピリするような痛みが残りやすく、治らないことも多々あります。

帯状疱疹ワクチンは50歳以上の方で約97%、70歳以上の方で約90%の有効性が認められています。

当院に気軽にご相談下さい。